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55歳からの「片づけ講座」③ 片付けができたらいいって分かっているのに、どうしてできないの?

3タイプ 自分がどんな傾向があるのかを知ろう

 片付けにはスキルも必要ですが、思考の変換が重要です。まずは自分がどんな傾向があるのかを知って自分を客観視できるといいですね。

 片付けられないタイプには大きく分けて「見て見ぬふり」タイプ、「昔に執着」タイプ、「先々不安」タイプがあります。

 「見て見ぬふり」タイプは片付けなければいけないことは分かっているけど気にしないふりをしてしまうタイプ。片付ける時間がないから仕方がないと思えるように、過密なスケジュールを立てたり、今日は疲れたから仕方がないなど自分が納得できる理由を自分で作り上げます。

 このタイプは多忙な人に多く、そこそこ片づいていますが、置き場のない物や処分できない物が詰まった物置部屋がある場合が多いです。でもこのタイプは物に執着があまりないので一度片付けのスイッチが入ると、案外スッキリと片付けられます。どのようにスイッチを入れるか、トリガーは何ですね。

 一番厄介なのが「昔に執着」タイプ(私もこのタイプです)。あんなに高かったんだから、何軒も回ってやっと手に入れたんだから、昔はよく使っていた(着ていた)からと、なかなか手放せません。

 「執着」とは費やしたお金や労力、時間にしがみつき、囚われることです。しがみついて離れられなくなってしまうこと。小さいころ欲しかった物が手に入らなかったことが記憶に強く残っていたり、物を手放したことを後悔したことがあったり。反対に取っておいて良かったと思った物があったりします。でも取っておいて良かったと思った物も、よ~く考えてみると、たくさんの取っておいた物のほんの一部なんですよ。

 自分は「執着が強い」ということを自覚することから始め、時間をかけて思考を変える必要があります。私も手放して後悔したこともあれば、手放せたことで自分に自信が持てたこともあります。

 最後の「先々不安」タイプは不安に備えて物をため込むタイプです。「いつか使うかもしれない」「ないと困るかもしれない」「あった方が安心」と日用品を過剰にストックしてしまいます。

 例えばトイレットペーパー。オイルショックの買い占めやつい最近のコロナ品薄騒ぎで焦って購入してしまいましたね。量にも限度があり、嵩張るので保管スペースもとります。購入できる場所や方法もたくさんあるのである程度の量を保管すればいいのでは?基本ストックは「1単位」でOKです。またキッチンにある保存容器。粗品としてもらったり、処分の時期が分からなかったりで必要以上に保有している方も多いことでしょう。

 傷がついた古い保存容器は雑菌が繁殖しやすいともいわれています。ちょっとしたおすそ分けに使いたいって…紙袋やガラス瓶、箱などもそんなに使う頻度はありますか?あったら便利は無くても大丈夫。こんなふうに考えてみる機会を増やして思考の変換練習をしてみては。

 感情や心理に左右され合理的でなくなってしまう人間の行動を分析する「行動経済学」的には、人間は得すること(片付ける)より損をすること(処分する)を嫌い(プロスペクト効果)、一度手に入れたものを手放すことに抵抗を感じたりします(保有効果)。また費やした労力やお金、時間などを惜しくて手放せないことも(サンクコスト効果)。

 片付けに戸惑ったときに「皆こんなふうになってしまうんだな」と立ち止まってみるのもいいかもしれません。

執筆者Writer

おのあけみ

実家片づけのイロハ主宰。整理収納アドバイザー。 1960年生まれ。群馬県前橋市在住。住宅情報誌の制作、営業に20年間携わり、宅地建物取引士と2級建築士の資格を取得した。多くの住宅を見学、快適な暮らしには建物本体だけでなく、物の整理収納が大切なことを実感。シニアに特化した片付けをサポートしている。

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