ぐんま住まいの相談センターが回答
群馬県住宅供給公社が運営する「ぐんま住まいの相談センター」は住まいに関するさまざまな相談を受け付け、専門家が回答している。初回は住宅取得・契約編。
住宅新築の際の契約上の注意点について
家づくりは、土地探しから資金計画、建築業者選びなど多くの過程を経る。入居後もメンテナンスなどが必要になる。初めての経験する人が多いだけにトラブルに巻き込まれることもある。群馬県住宅供給公社が運営する「ぐんま住まいの相談センター」は住まいに関するさまざまな相談を受け付け、専門家が回答している。同センターへのよくある相談事例を紹介する。
【相談内容】
複数の建設業者を比較しながら住宅の建築計画を進めているのですが、業者の選び方と契約についての注意点を教えてください。
【回 答】
業者選びについては、その業者の完成した建物や工事現場を見たり、営業担当者などから話しを聞きながら、ご自分の好みに合った建物を建てることが出来る業者かを見極めることが必要です。
契約については、契約書の内容、特に約款部分を確認し、支払い条件や契約解除に伴う違約金、さらに保証等の取り扱いがどのようになっているかがポイントになります。
また契約の前には必ず見積明細書の内容を担当者から説明してもらい、分からないことがあれば遠慮せず分かるまで確認することが重要です。
建築業者の選び方について
【相談内容】
住宅の新築にあたり、信用できる業者を選びたいのですが、選ぶための注意点を教えてください。
【回 答】
ホームページや住宅雑誌、展示場などで情報収集をした上で数社に絞り、実際の住宅や工事現場を見せてもらうと良いでしょう。
また会社に直接訪問し、営業や設計、工事担当者の対応、会社の雰囲気なども参考に判断してはいかがでしょうか。
最終的には数社から見積もりを徴収し内容の比較をします。
ただし金額だけで決めないよう、提案内容や入居後のアフターサービスなども参考に総合的に判断する必要があります。
ぐんま住まいの相談センターでは、登録業者制度により、さまざまな業種の業者を紹介しておりますので、ぜひご利用ください。
建物の工事請負契約を交わしたが解約したい
【相談内容】
契約書にいったんはしましたが、見積もりや図面等に納得できない部分があるため、解約したいと考えています。
クーリングオフ制度を利用し解約したいのですが、注意点はありますか。
【回 答】
契約書などの書類を交付した日から8日以内であれば、特定商取引法に基づき、クーリングオフにより無条件で契約解除をすることができます(特定商取引法に該当する契約)。
ただし、お客さまが営業担当などを自宅に呼び、そこで契約した場合などはクーリングオフの対象にはなりませんので注意が必要です。
また解約は必ず書面で行うことが必要です。
できれば配達証明付きの内容証明郵便にすることをお勧めします。
詳しくは弁護士などの専門家に問い合わせてみてください。
工事請負契約の解除と契約金の返還
【相談内容】
以前から新築住宅を検討し、住宅を建てるための土地について土地所有者と折衝中でしたが、先に建物についてある工務店と建築工事請負契約を締結しました。
その際契約金として100万円を支払いました。
土地購入の交渉がうまくいかず、その関係で建物の工事請負契約自体の解除を申し入れました。
業者は、100万円は返還しないと主張しています。
100万円は戻らないのですか。
【回 答】
契約書をみると、標準仕様書、設計図、見積書など全く添付されておらず、工事代金の額も営業社員が概算の数字を記入したものであり、今回の契約書は、「建築請負契約書」の標題の書面であっても、その契約実態は建築請負仮契約と解釈される余地があります。
本契約締結前の仮契約として、100万円の返還交渉を行う余地があると思われます。
自主交渉で解決せずとも、民事調停(管轄:簡易裁判所)の申立てをするのも良い方法かと考えられます。
契約解除した場合の違約金について
【相談内容】
建物工事請負契約をし、その後、契約解除の話を持ちかけたところ、業者から請求書が届き、手付金500万円のうち、違約金として320万円を請求してきました。
工事は全く行われていません。
どのように対応したらよいのでしょうか。
【回 答】
なぜ320万円になるかを業者に確認してください。
契約約款に記載されているなど何らかの根拠があっての金額かと思いますが、消費者契約法にある、事業者に生じる平均的な損害を超えている場合、その約款の規定は無効となる可能性があります。
いずれにしても320万円になる根拠の説明を求めてください。
土地を契約する際の留意点について
【相談内容】
住宅の新築を検討しています。
まず土地を購入しその後、建物を検討する予定です。
土地を契約する際の留意点について教えてください。
【回 答】
契約書や重要事項説明書の内容を確認する期間をとった上で、契約日を設定すると良いと思います。
特に、契約書、重要事項説明書の内容は、契約当日に初めて確認するのではなく事前に入手し、不明や疑問の点があれば内容を確認しておくことをお勧めします。
また改めて現地をよく確認しておくことも重要です。
土地の造成工事の金額
【相談内容】
ある業者と住宅建築の契約をしました。
建築地の造成工事の見積もりをその業者に依頼したところ約260万円の金額が出たのですが、この金額は妥当なのでしょうか。
また値引きは出来るのでしょうか。
【回 答】
まずはどこまでどのような工事を想定しているかを、図面等も含め業者側の説明を求めることです。
また金額的には他の業者に同じ工事内容の見積もりを依頼し、比較してみるのも良いのではないでしょうか。
もっとも金額だけで決めてはいけません。
何をどこまでどんな材料を使うのかによって金額に大きな違いが生じてくるので、見積もりの内容についてもきちんと説明してくれるよう依頼することです。
値引きもできる場合もあるので、確認してみてください。
決して金額だけで判断はせず、内容も含め業者さんの対応など総合的に判断して決めるようにしてください。
敷地境界の立会いを拒否された場合について
【相談内容】
住宅を新築するため、隣地の所有者に境界標設置の立ち会いをお願いしましたが、会ってくれません。
境界標を設置し、境界線に沿ってブロック塀を設置したいのですが、立ち会いを拒否されているこのような状況の場合、どうすれば境界標が打てるのでしょうか。
【回 答】
境界標を設置する場合には、双方の合意をもって土地境界を確定しなければなりません。
測量や登記申請を行う専門家である土地家屋調査士に依頼する事になります。
なお、境界確認の立ち会いに相手が応じない場合、訴訟手続きが必要になりましたが、今は「筆界(土地境界)特定制度」があり、法務局が土地所有者間の間に立って調停作業を進めてくれます。
詳しくは、土地家屋調査等の専門家に相談してください。
筆界特定制度について
【相談内容】
以前購入した山林について、隣地所有者から筆界特定制度に基づく境界特定の申し立てがあり、国調の結果で筆界を認定することを告げられました。
今後どのように対応したら良いのでしょうか。
【回 答】
境界標を設置する場合には、双方の合意をもって土地境界を確定しなければなりません。
測量や登記申請を行う専門家である土地家屋調査士に依頼する事になります。
なお、境界確認の立ち会いに相手が応じない場合、訴訟手続きが必要になりましたが、今は「筆界(土地境界)特定制度」があり、法務局が土地所有者間の間に立って調停作業を進めてくれます。
詳しくは、土地家屋調査等の専門家に相談してください。
中古住宅購入時の留意点について
【相談内容】
中古住宅を購入する際の注意点を教えてください。
まだ重要事項説明書は確認していません。
【回 答】
まずは事前に建物を含め現地をよく確認してください。
木造住宅の場合、可能であればシロアリ被害の有無などを駆除業者に確認してもらうのもよいでしょう。
またできれば朝、昼、夜、雨の日の時などにも下見するのも良いでしょう。
音や光(特に夜)の状態、雨水が意外な所にたまったりすることもあります。
また近隣住人のお話が聞けると参考になります。
契約前には充分な検討期間を置き、重要事項説明や契約書の中身を確認します。
目に見えない法令上の制限(接道条件など、建替する時に制限がないかなど)、解約の手続き、不具合があった時の対応方法と保証期限などを必ず確認してください。
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群馬県住宅供給公社が運営する「ぐんま住まいの相談センター」
執筆者Writer
群馬県住宅供給公社(ぐんまけんじゅうたくきょうきゅうこうしゃ)
地方住宅供給公社法に基づき、群馬県により設立された団体で、群馬県の他10市1町により出資されています。公社の主な事業は、県民の皆さまに快適な住宅を供給するため、公共賃貸住宅の維持管理(入・退去他各種手続・維持修繕)や新規受託事業(市町村他)の受託を行っております。「ぐんま住まいの相談センター」で家づくりに関わる相談も受け付けています。同センターは、県民の皆さまの住まいに関するさまざまな疑問に無料で答える相談会をはじめ、より良い住まいづくりにお役立ていただくための各種イベント・セミナーの開催など、県民の皆さまの豊かな住まいづくりをお手伝いします。住所は前橋市紅雲町1-7-12(住宅公社ビル2階)、相談・問い合わせは同センター(☎027-210-6634=音声ガイダンス3番)へ。
群馬県住宅供給公社 HP