【実例紹介】新築2年後のKさん宅、物が増えても「きれいな収納」を続けよう
2年前に高崎市内にマイホームを購入した、20歳代後半のK夫妻のご自宅を再訪。未就学児のお子さんとの暮らしで、やって良かった収納、また後悔していることとは―。新築の美しさを保つための収納のこつを、Kさん宅のリアルを通して探っていきます。
ちょっと後悔…「玄関にクロークがあれば」
Kさん宅ではリビング収納をコート掛けに活用
整理収納アドバイザーとして、これまで新築住宅をたくさん訪問しましたが、建ててから数年経った家を取材したいと思っていました。
K夫妻は以前、アパートの2階で暮らしていました。子どもが生まれ手狭になったことと、階下への物音を気にしながらの生活を変えたいと思い、家を購入したということです。
居住面積は以前より広くなり、これまでの持ち物は取捨選択して引っ越し。新しい住まいは収納もたっぷり、家具も家電もピカピカです。
K夫人に「収納で後悔していることは」と聞くと、一番に挙げたのが「玄関にクロークが欲しかった」。帰宅してすぐコートや上着をかけるクロークがあれば、花粉やウイルスを家の中に持ち込まず、リビングにコート類をソファや椅子に置いてしまう、なんてことも防げます。
現在はリビング収納をコート掛けに活用して、コートやバッグの置き場所にしているそうです。
入りきらない靴は「手放す」ルール
靴はシューケースに入るだけ
1階は中庭を囲むように配置されたLDKと洗面浴室、2階に3部屋の個室がある間取りで、小さな子どもがいる割には片付いた印象を受けました。リビングにはおもちゃが広がっていましたが、力を抜いて楽しく生活をしているようで好感が持てました。
「収納があったらあったで物が増える」(K夫人)。家族がいると増える靴は、シューズクロークに入らなくなったら捨てるとルールを決めているそうです。
バッグを入れる収納ボックスもありますが、入らきらないバッグ類が床置きになっていました。収納で大切なのは、場所を決めたら入る分だけを所有して管理する、使わないものは勇気をもって手放すこと。売る、譲る、寄付するなど「捨てる」以外に、手放す方法はたくさんあります。「物を活かす」と考えれば、罪悪感も少しは減るのではないでしょうか。
7割収納で片付けのゆとりを
物を減らすことで、しまうストレスも減る
階段下の収納には掃除機がいつでも使えるようにスタンバイ済みでした。このように掃除用具は必要な時にサッと手に取れる位置におくのが一番です。
掃除用具を取りに行くのが面倒くさいとか、メンテナンス不足で掃除機の吸い込みが悪いなどで掃除せずにそのまま…なんてことになりませんように。
料理好きなKさん宅のキッチンは収納も使い勝手良く整理されていました。使う食器や調理器具だけをゆるやかにしまう「7割収納」を実践。物がぎっちり詰まっていると、取り出す時や戻す時にイライラしますよね。
うまく戻せなくて詰め込むと、さらに乱れて使いにくく…。Kさんは薬や文房具などの雑貨類は仕切りを利用して整理し、在庫不足も一目瞭然です。
2年間、この状態で管理できているのは、日々の工夫があってこそです。
収納グッズは「必要か」よく考えて
備え付けの洗面収納にタオルを
唯一、洗面所の収納は再考の余地ありと感じました。生活していく上で必要なタオル類を置くために、収納や隙間家具を買い足しましたが、全てのタオルを使っているかというとそうでもない様子です。
使わないタオルを整理して、備え付けの洗面収納を有効活用しましょう。その方がスペースを広く使えますし、収納ケースの購入代金も節約できます。収納グッズは、買う前に本当に必要か、何かで代用できないかなど熟考すべきです。
新築住宅への引っ越しは、どの収納に何を収めるかできるだけ具体的に考え、必要な物をセレクトすることが大切です。
引っ越しは整理収納のチャンス。ピカピカの新築住宅に、くれぐれも必要ない物まで持ち込まないように!
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執筆者Writer
おのあけみ
実家片づけのイロハ主宰。整理収納アドバイザー。
1960年生まれ。群馬県前橋市在住。住宅情報誌の制作、営業に20年間携わり、宅地建物取引士と2級建築士の資格を取得した。多くの住宅を見学、快適な暮らしには建物本体だけでなく、物の整理収納が大切なことを実感。シニアに特化した片付けをサポートしている。
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