元々はこの状態だった。これではご近所の印象も...
実際に群馬県内であった「空き家が売れた」話の後編です。
どんな経緯で所有の空き家を売る方向になったのか、気になる方は、ぜひ前編からお読みください。
初めての買い付けが。スムーズな展開に期待が高まる
さて、売りに出してから数カ月…。なかなか買い手が現れないと思っていたところ、現地確認の希望が入りました。
外国人のご家族でした。地域柄、大いにあり得る話です。
現地も見た上で気に入ってもらえたようで、実際に買い付けが入りました。
あとは住宅ローンが通れば契約成立です。
すると、ここでまさかの、住宅ローンが通らないという事態が発生。
私たちも、そのご家族も安心しきっていたところだったので、なんとも残念な結果に…。
話は振り出しに戻ってしまいました。
「え!?いわくつき物件なの?」を乗り越えて
今にも住めそうな空き家。何でも「見た目」は大事です
そこからさらに数カ月、現地を見たいという業者さんが現れました。
ひと目見て気に入ってくれた様子で、そのまま現地案内…、というタイミングで近所の方が登場。そして、ひと言「この家は人が亡くなっているから事故物件なんでしょ」…!
「人が亡くなった=事故物件」という認識が独り歩きしてしまっていますが、正確にいうとこの家はそうではありませんでした。
確かにお父さんがこちらで亡くなられたのは紛れもない事実。ですが、すぐ翌日発見され、死因は病死であることから、事故物件にはあたらないのです。
通常ならば告知義務も発生しないのですが、心ある?ご近所さんの登場により、業者さんには経緯を細かく説明。多少の値引きも行うことになりましたが…。
その誠心誠意の対応が功を奏したのか、その業者さんが買い付けてくれることに。
購入後、リフォームして売りに出す予定だそうです。
実はその手続きの途中にも、現地を見たいという一般の方が現れたのですが、買い付けが入った後だったので、丁重にお断りしました。
空き家活用の基本の「き」とは...
空き家については、自治体や専門家に相談してみるのがおすすめ
ここまでで、全部で3組がこの物件に興味を持ってくれたことになります。
立地上あまり人気がなさそう、魅力がないのでは、という素人判断により、売却をためらったり、そのままにしておくのはあらためてもったいないと思いました。
「必ず欲している人はいる」という気持ちで、手を尽くして、気長に待つのが成功の近道と感じました。
そしてその判断は早ければ早いほど良いと言えます。
なぜならその間も、家は傷み続け、草木は伸び続けるからです。
こちらのケースでは、途中の月々の空き家管理も私が責任をもってやらせてもらっていたので、その間の劣化やダメージは最小限にとどめられたという自負はあります。
空き家をどうしようか、まだ決められないという人は、まずはいったんプロに空き家管理だけ依頼するのも良い方法だと言えます。
料金設定はさまざまですが、安いところ(弊社も含め)だと月々3300円からです。ぜひご検討ください。
ということで、空き家お持ちの方、活用を具体的に考える第一歩を踏み出してみてください。応援しています!
執筆者Writer
坂本久幸(さかもとひさゆき)
太田市にある一般社団法人 住まいの相談室の室長を務める。「住まいづくり」をする人に、その選択肢の提示やその方に合ったプランの提案などを行っている。
住まいの相談室 HP