所有する空き家で頭を悩ませる人が増えている中、うまく活用できた人もいる。
実際にあった「群馬県内の空き家が売れたエピソード」について、住まいづくりコンサルタントの坂本 久幸氏が、体験談を紹介する。
空き家は負の遺産?活用への道とは
住まいづくりコンサルタントの坂本 久幸です。
運営している一般社団法人「住まいの相談室」は、「住まいづくり」をされる人に、その選択肢の提示やその方に合ったプランの提案などを行っております。新築だけでなく、中古住宅を再生して住む、リフォーム&リノベーションする、空き家を再生して住むなど、やり方はさまざまあります。
群馬県内も空き家が増えており、自治体も各種の取り組みを実施していますが、なかなか減少するまでには至っていません。増やさない取り組みが、今後ますます重要になるのではと考えております。
「実際に空き家って売れるの?」「どういう流れで進むの?」という疑問に答えるべく、今回は、弊社が手がけた空き家活用の事例について、ご紹介したいと思います。
県外在住のお客さまからの空き家相談
草木が伸び放題の空き家。こちらがbefore
2022年6月、東京在住の息子さんから、所有している空き家を売りたいという連絡が入りました。
すみかくらぶで「空き家・空き地のお悩み受付」という企画があり、弊社も参画しているのですが、そのルートからのお客さまでした。
現地確認と面談の日取りを決め、現地へ。
確認すると…、草木で荒れている、いわゆる「草ボーボー」「ここに家があるの?」という状態です。
家も築40年ほどで古く、すぐに住める状態ではありませんでした。
お父さんが亡くなられ、現在はお母さんが所有しているが、別の場所に住んでいらっしゃること、息子さんご本人は都内在住であり、頻繁に現地に来られないこと、売却希望であること、などをヒアリングしました。
そして「リフォームすれば住める物件」であると判断し、中古住宅として売却する方向へ舵を切りました。
売り物は印象が大事
見違えるようにきれいになった空き家。こちらがafter
売るならば、きれいにする。これが鉄則です。
まずは草刈りから。
除草剤をまき、草を取り除き、周囲の大きな木の剪定(せんてい)も実施。家の内部の片付けも行い、見学ができる状態にしました。
法的な規制やライフラインの確認、各種整備も整え、ついに売りに出す日がやってきました。
駅から近いのですが、魅力度が高いとも言えないこの物件に、果たして買い手がつくのでしょうか。
続きは後編をお読みください!
執筆者Writer
坂本久幸(さかもとひさゆき)
太田市にある一般社団法人 住まいの相談室の室長を務める。「住まいづくり」をする人に、その選択肢の提示やその方に合ったプランの提案などを行っている。
住まいの相談室 HP