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一見、住まいとは思えない、ミュージアムのようなワンフロアの平屋。南側には住宅を取り囲むように高い外壁が施され、プライベートな住環境をつくり出している。これまでの一般的な住宅とは、まったく違ったコンセプトで設計されている。
外からは見えない奥まった玄関から住宅内に入ると、スケルトンのリビングドアの先に27畳の大空間LDKが広がっている。柱のないオープンな空間の壁や天井は、白を基調とした配色で統一。シンプルな色合いが、その広さを一層際立たせる。折り上げ天井のリビングには2つの大開口サッシから光が差し込み、明るく開放的な生活空間を演出。リビング収納は、すべて引き戸の中の「見せない棚」だ。アイランド型のシステムンキッチン背後の食器棚、冷蔵庫もすべて引き戸の中。テレビは壁掛け式で、LDKにはソファーとダイニングテーブルのみ。あえて生活感を感じさせず、リゾート地のような雰囲気を醸し出している。
テーマは「カーテンのいらない暮らし」。南側に約2.5メートルの外壁があることで外部からの視線が完全に遮られ、昼夜、カーテンを引くことなく開放的な生活を送ることができる。この住宅をさらに魅力的にしているのは、リビングからつながる約37畳の大テラスだ。カーテンがないことで、リビングとテラスが一体化。リビングと合わせて64畳のプライベートスペースとなる。リビングを通らずにバーベキューやパーティーを行うことも可能で、子ども用のプールも気兼ねなく出せる。施主のKさんは「涼しい夜にはプロジェクターで外壁に映画を映して、ゆったりとしてみたい」と思いを馳せる。
特筆すべきは、これだけ開口部が広いのに、断熱性と気密性を確保していること。屋根には太陽光パネルを設置し、エネルギー収支をゼロ以下にする「ZEH住宅」となっている。デザイン性と機能性にこだわった住まいだ。
こだわったのは「住まい動線」。玄関、LDK、サニタリースペース(浴室・洗面・トイレ)などが周遊できるように工夫され、フロアには段差も家具もない。ロボット掃除機一台あれば、家中をきれいにしてくれるという。地震に強いスーパーウォール工法で、優れた遮音性も担保。一見、若い人向けの住まいのようにも見えるが、階段のない平屋は将来的にも過ごしやすい環境だ。
施工した唐沢建設は、創業50年を超える工務店。新築住宅、リフォームを数多く手掛けて信頼を集めてきた。二世代、三世代つながるお客さまもいるという。LIXILリフォームショップ認定店でもある同社は、専門スタッフが定期的に顧客を訪ねて水回りやサッシの不具合などにも対応する。唐沢美好社長は「お客さまとは一生のお付き合い。私たちが造りたい住宅ではなく、お客さまの要望をお聞きし、時代に合った住宅を提案しています」と話す。
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