（新築）家の内外から観賞できる癒やし空間 植栽をライトアップしておもてなし

最高のロケーション

　家を建てた唐沢建設が分譲した土地を購入したTさんご夫妻。水道整備業を営むご主人が同社と仕事をしたことがあり、「腕の良さは分かっていた」と家づくりのパートナーに決めた。奥さまは「やってみたいことを全部お伝えして、真摯に検討していただいた」とその姿勢が気に入った。

　土地の形状から北玄関となったため、北側からの見え方に工夫をこらした。外観は薄いグレーの石調とダークブラウンの木目調のサイディングを組み合わせた、落ち着いた雰囲気。屋根には、いぶし銀の平板瓦を合わせた。注目するのは、玄関横の外壁を凹型に施工して１坪足らずの空間を設けたことだ。

　玄関を入ると、目の前に高さ２㍍、幅1.2㍍の大きなガラス窓（フィックス）が飛び込んでくる。そこは外に設けた小空間を映し出すという仕掛けだ。ご夫妻はここに木を植えてライトアップすることを考えている。完成すれば、美しい植栽を家の外からも中からも観賞できる、この家で最高のロケーションとなる。コストアップ覚悟で実現させた特別な空間は、仕事で疲れて帰宅するご夫妻を癒やし、ゲストをもてなしの心で迎えてくれる。

ニッチ活用の便利スペース

　屋内は随所にニッチを活用した便利スペースを見かける。玄関には傘掛けバーやスリッパ収納、小物を置けるスペースもある。各種の操作パネルもニッチに納めた。東京でお勤めの奥さまが、ネットなどを通じて収集したお気に入りの数々を、新居での生活を想像しながら提案した。同社との打ち合わせもＬＩＮＥ（ライン）で行われたという。

　約20畳のLDKは白を基調に一部壁にグレーを配色。フローリングやドアは木目色とし、天井はご主人の要望で見せ梁にして統一感と開放感を演出する。４畳半の和室がフラットに続き、居心地よい空間となっている。和室はロールスクリーンで区切ることができる。キッチンの北側にドアを設け、階段や玄関ホール、トイレとつながるようにした。

家事が楽しくできる空間

　間取りで工夫したのは水回りで、浴室と洗面脱衣室を南西側に設けた。特に４畳半の広さを確保した洗面脱衣室は、明るくて暖かい。家事が楽しくできる、奥さまのお気に入り空間となっている。「暗いイメージを明るくしたかった」と、配置や設備選びは専門のご主人が手配した。

　２階には、ご夫妻の寝室と、将来の子ども部屋を想定した約13畳の洋室スペースを配した。南北に長い洋室は中央に壁を設けられるよう造られていて、２室に分けることができる。

　住宅の断熱には、ご主人の希望で、高性能のアクアフォームが吹き付け施工され、高気密・高断熱を実現している。

　ご夫妻は「完成した家を見ると、いろいろな業者の手がかかっていて、きれいに仕上げてくれた。ありがたい」と感謝する。唐沢美好社長は「施主さまの希望をかなえるのが、われわれの仕事。気に入ってもらえてうれしい」と話す。