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「寒い日も部屋の中はとても暖かく、快適に過ごしています」と、寒冷地に住むKさんは満面の笑みを浮かべた。
終のすみかとして建てたバリアフリー仕様の平屋の住まい。三州陶器瓦の屋根と薄いクリーム色の窯業系サイディングの外壁が見事にマッチした上品な造りだ。
南面に大きく張り出した軒を8本のヒノキ柱(4寸角)がしっかりと支えている。軒の下はタイル張りのテラスで、玄関へのアプローチにもなっている。幅が2㍍近くあり、車いすでもゆったり通れる広さだ。
建築を手掛けたのは、「木造骨太住宅」で知られる福原建築。知人の紹介で同社に依頼したKさんは「太い木を使った頑丈な造りや分厚い断熱材のおかげで、いつまでも健康で安心・安全に暮らせます」とうれしそうに語る。
構造材をはじめ、床や天井、壁などにふんだんに無垢の木を使ったK邸。玄関の引き戸を開けて中に入ると、心地よい木の香りに包まれる。右手のリビング入り口には、8寸角のヒノキの大黒柱が、家全体を支えるように立っている。床は無垢のヒノキに耐震性や遮音性に優れた構造用合板が張ってあり、厚さは43㍉と強固だ。
家族が集うリビング(15畳)は、勾配天井の吹き抜けで、明るく開放感に満ちている。現し造りの太い磨き丸太の梁が縦横に走り、その迫力に圧倒される。リビングの一角には畳コーナー(4.5畳)が設けられており、「冬場はこたつを置いてくつろいでいます」とKさん。
南に面した主寝室には、庭に張り出すようにサンルーム(4畳)が設置されている。洗濯物を干すのに便利で、天気のいい日は日光浴を楽しむことができる。
8畳と6畳の2つの和室は真壁造りで、20本のヒノキ柱(5寸角)や長押、スギの天井板、障子などに囲まれ、落ち着いた和の雰囲気に包まれている。自在な木の使い方こそ福原建築の真骨頂であり、優れた匠の技が随所に光る。
木の良さを生かした「木造骨太住宅」は、気密性や断熱性にも優れている。基礎や天井、壁の間に硬質性の発泡ウレタンを吹き込み、24時間熱交換型換気システムを組み合わせることで、家全体を快適な温度で保つ。K邸でもこうした技術がしっかりと生かされ、健康な暮らしに寄与している。
豊富な収納や便利な動線もK邸の特徴だ。6畳分の広さを持つ納戸をはじめ、キッチン横のユーティリティー、玄関の土間収納、各部屋の押し入れや廊下の物入れなどを適材適所に配置。「以前に使用していた食器棚やたんすを再利用できてよかったです」と、Kさんはうれしそう。
間取りもリビングを中心に、キッチン・ダイニング、水回り、寝室と回遊性のある動線を考えてつくられており、「使い勝手はとてもいいです」と家族に好評だ。窓はすべて電動シャッター付きで、防犯上とても心強い。バリアフリーについても、トイレを2カ所に設けたり、段差を排除し、引き戸を多用したりと、細やかな配慮が行き届いており、高齢のKさんや家族を喜ばせている。
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