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庭園づくりを趣味としているMさん。「お気に入りの庭が引き立つ平屋に建て替えたい」と地元の工務店をいくつか候補としながら、最終的に土田工務店への依頼を決めた。その要望を受け、同社が持てるノウハウを注ぎ込み、自社大工が腕を振るって完成させた。
同社の方針である「可能な限り天然素材を使用する」こと、併設するTAKE一級建築設計室での「デザインを追求した住宅にする」ことの2点を念頭に置き、家づくりが行われた。
M邸の大きな特徴として、圧倒的な存在感を持つ庭園が挙げられる。庭だけに目がいく、家だけが目立つなどの偏りが生じないことも重要な要素の一つだった。
建築面積41坪の平屋建て。玄関まわりが外壁に隠れる造りとなっており、奥まっていることで上品な印象に。屋根は、銅板の腰葺き屋根で「一文字瓦」を用いているため、すっきり見える。落ち着いた色調の塗り壁と相まって、和モダンの装いだ。随所に職人の技術がちりばめられている。
庭を眺めながら、入口の扉を開けると、奥行きのある玄関ホールが広がる。洗い出しの土間に、銘木の黒檀を用いた上がり框、極太のケヤキの大黒柱など、ぜいたくな素材を生かした約10畳の空間だ。
「できるだけ明るく、採光性を重視したい」とのMさんの要望を受け、LDKは光が降り注ぐように大きな開口部となっている。さらに、リビングと和室を仕切る障子は、全て壁内に引き込める構造とした。これにより部屋の奥でも十分な明るさを確保できている。LDKの一角にある和室の障子を開ければ、ひと続きになり、空間の広がりが感じられる。
建具やドア、窓枠なども、無垢材を使用して自社の職人が独自に製作したもの。玄関や廊下、LDKなどは統一してナラの無垢床を採用し、節一つない滑らかさだ。和室には天然のい草による琉球畳が敷かれ、和モダンの空間を引き立たせている。
完成から数年を経て、M邸内の無垢材は光沢を増し、深みと味わいが出てきている。「経年美」という表現がふさわしく、それが天然素材を使用した家の醍醐味と言える。
Mさんは「一つ一つの空間にゆとりがあり、動きやすくて心地よい。365日、ずっと家にいてもいいくらいに気に入っている。うちは土田工務店のモデルハウスみたいなもの。ぜひ見てもらいたい」と、笑顔を見せている。
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