伝統美と和モダンが融合　実用性、耐火・耐震を兼ね備えた 新モデルハウス

岩重工務店、初のモデルハウス

無垢材と伝統工法による純和風の家づくりを得意とし、創業から半世紀を迎える岩重工務店。2021年４月にオープンした同社初のモデルハウスは、従来の技法を生かしながら、新たに和モダンの装いを加えている。

　企画した同社の岩重国雄専務は「生活しやすい機能的なデザインを追求しました。若い人からは『おしゃれ』、シニア層からは『木の温もりがあり、居心地が良い』と好評です」と語る。

　実際に、無垢材とデザインの魅力が実感でき、実用的で使いやすい空間に仕上がっている。現在、同社で建築中の施主はこのモデルハウスを見て「こんな家を建てたい」と決断した人ばかりだという。

メンテナンスいらず 長く愛着を持てる家

　外壁は塗り壁風のパワーボード、屋根は本瓦葺き、精巧な木組みの軒屋根は銅板葺きと、外観には伝統美と風格が漂う。標準使用しているパワーボードは防火・耐久・断熱性に優れている。メンテナンスのコストを抑えられ、災害にも強い。

　旅館をイメージしたという玄関は、こだわりの欄間や飾り棚の銘木が目を引く。ＬＤＫは、節がほぼないヒノキが多く使われ、カウンターキッチンや藍色の琉球畳を敷いた小上がり、薪ストーブなどが空間を彩る。

　竿縁天井の和室は採光面が多く明るい印象。その奥には縁側があり、物干しやくつろぎのスペースとして活用できる。すべての部屋、廊下にもふんだんに無垢材が使われ、木の香りに満ちている。
　「流行のデザインは建てた時は良いのですが、数年で古く感じてしまうことも。時を経ても色あせないデザインが最適だと考えます」と岩重専務は話す。

多様な木の良さを比較できる造り

　機能性では、特に収納を重視した造りが挙げられる。各部屋に大容量の収納を配置、中でも寝室奥のウオークインクローゼットやリビング裏のパントリー、玄関横の土間収納には多くのものをしまえて便利だ。

　また、部屋ごとにさまざまな種類の無垢材を採用しており、木が持つ個性や質感を体感し、訪れた人が比較検討できるようにと考えられている。カリンやカバザクラ、カエデ、ミズザクラ、チークなど豊富で、倉庫に大量の材木を保管し、自然乾燥して備えている同社ならではの使い方だ。

　無垢材や伝統工法と聞くと予算が心配だが、同社はコストダウンにつながる工夫を重ね、予算に合わせた提案をしてくれる。場合によっては、坪60万円台から可能なケースも。一度、同社の家づくりに触れてみては。