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差し掛け屋根が印象的な平屋のS邸。ややグリーンがかったクリーム色の外壁に、レンガ調の腰壁でアクセントを付けた。軒の深い玄関ポーチは3本の丸太柱に支えられ、おおらかな屋根には太陽光パネルを8.75kW搭載した、ZEH仕様の高性能住宅だ。
もともとこの敷地には昭和30年代に建築したという2階建ての旧家が建っていた。少しずつ手を加えながら長年暮らしていたSさんご夫妻は、子どもたちが巣立ったことをきっかけに、ご夫妻とお母さまの3人が快適に暮らせる平屋に建て替えた。
建築したのは大竹住建。気さくな人柄の大竹博之社長とご主人は、気兼ねなく話せる旧知の間柄で、「たくさんのわがままを聞いてもらいました」とご主人はほほ笑む。
間取りはご主人が考えた案を元にして同社がアレンジ。時には現場での変更にも柔軟に対応するなど、ご夫妻にとって満足のいく動線や配置に仕上がった。
こうして完成したS邸は、建物の中心に家族が集うリビングを据えた、廊下のない空間レイアウト。ゆったりとくつろげるLDKの続き間には真壁造りの本格和室が備わる。リビングの一部は吹き抜けを採用し、高窓から明るい日差しが降り注ぐ。
高齢のお母さまの部屋はトイレや浴室の近くに配置した。奥さまの要望でトイレは2カ所に備え、キッチンの真横には食材や日用品をたっぷり収納できるパントリーを設けた。キッチンに立てばダイニングとリビング、その先の和室と窓の外の庭の景色まで視界に入る。
ハンドメードの一品ものを好むご主人。自身の家づくりにおいても、手作りならではのぬくもりや遊び心を随所に取り入れた。まず玄関に入ると、幾何学的文様が美しい組子細工の建具に目を奪われる。スギ板を張った腰壁や造作したシューズボックスと相まって、無垢の優しい風合いが感じられる。組子は和室の欄間と照明にも用いられ、優しい意匠がほっこりと和ませてくれる。LDKと和室の空間は細工扉付収納の片側引き込み建具で隔てられ、雪見障子も手作りにしか出せない味わいがある。
「家じゅう温度差がなくて暖かい。ヒートショックの心配がない」と喜ぶご夫妻。終のすみかとしてのんびりとした暮らしを送ることを、今から楽しみにしている。
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