仕事場と住居を兼ね備えた シンプルモダンの住まい

高いデザイン性と機能性

　ひときわ白いサイディングをシックな色で引き締め、アクセントに木目調と、３色で外壁を構成するT邸。Tさんご夫妻のプランは、歯科技工士のご主人の仕事場と住居を兼ねた家を造ることだった。

　建築をお願いしたのは「家づくりは作品」をコンセプトに、“オンリーワン”の家づくりを行っている武井建設。ＴＯＴＯショールームアドバイザーの奥さまが高橋伸武社長と仕事を通じてお付き合いがあり、人柄にひかれたことと、ご主人とともに出掛けた完成見学会でデザインや機能性が気に入ったためだ。

　「要望や意見をたくさん聞いてもらえた」とご夫妻。建築中は週に１度、現場で打ち合わせを行い、部材や壁紙などは進行に合わせてサンプルを確認しながら決めた。外壁は何度も見比べ、納得の色を選ぶことができたという。

ワンフロアで完結

　玄関ホールは床材から天井まで白で統一。正面の壁は角を落とし、奥行きと広がりを持たせた。左側はシューズクローゼット、右側に約三畳の土間収納を設け、冬用タイヤなどの置き場として活用している。

　「１階と２階を行ったり来たりせず、ワンフロアで完結したい」という奥さまの希望で、１階はご主人の仕事場、２階はプライベートスペースと完全に分けた。

　リビングは折り上げ天井と各所に設けたダウンライトで広がりあるすっきりとした空間に。オンとオフの切り替えができ、ご主人は「ソファでくつろぐ時間が一番好き」と話す。

　キッチンにはパントリー、リビング側のカウンターには収納棚を設け、生活感を出さない工夫をした。水回りは家事が効率的にできるよう配置し、機能性をよく理解している奥さまがＴＯＴＯ製品で統一した。洗濯は洗ってその場で干し、乾いたら寝室のウオークインクローゼットにしまえるので家事も楽になった。

愛犬との楽しい暮らし

　バルコニーは広めのスペースを確保。住宅地にあるため、高橋社長の提案で壁を少し高めにしたところ、外から見えにくく、第２のダイニングとして使える空間ができた。「いずれはバーベキューをしたい」と奥さまは笑顔で話す。

　昨年１月末に入居し、四季を経験した。ご主人は「冬は暖かく、夏は涼しい。結露も出ない」と高気密・高断熱の住宅性能に驚く。秘密はアルゴンガス入りペアガラスと、高性能の吹き付け断熱材だ。

　外構は道路側に４台分の駐車場を設けた。家の四方をフェンスで囲み、南は愛犬がのびのびと遊べる庭にした。「フェンスは外からの視線を遮りながらも全体的に低い設計で、開放的な印象を与えている」と評価され、「ＴＤＹリモデル作品コンテスト2020」窓・玄関・外まわり部門で審査員奨励賞を受賞した。

　Ｔさんご夫妻は、「安心して庭で遊ばせることができる」と、元気に走る愛犬をいとおしそうに見つめた。