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北側アプローチのS邸は、黒い外壁に切妻屋根を乗せたシンプルなフォルムの平屋。南面に回り込むと、コンクリート調のグレーの外壁とウッディーなデッキを覆うように深い軒がかかる。
Sさん夫妻にとって2度目となる新居は、敷地内に隣接する子世帯の家から中庭を挟んで建ち、ほどよい距離感が保たれている。家づくりの依頼先は「在来骨太住宅」を掲げる山崎工務店。木をふんだんに用い、がっしりとした構造が現しとなった同社の和のモデルハウスを見学したご主人は「ひと目で気に入った」と振り返る。特に吹き抜けの天井に架けられた、存在感のある古材の梁が決め手になったという。
玄関に入ると木の香りがほのかに漂い、ホールの横には整然とした和室が備わる。正面の扉を開けると開放的なLDKが現れる。ワンフロアの空間は、カエデの無垢フローリングを張った床とコテむら仕上げの塗り壁が調和し、そこに以前から愛用していたお気に入りの木製家具が配置されている。高さのある勾配天井を見上げると、ご主人の要望した古材を用いた梁が、圧倒的な存在感を放っている。
「和風ではなくモダンにしたい」と希望した奥さま。テレビ裏の壁一面に横張りした米杉がアクセントウォールとなって、和洋折衷の雰囲気を漂わせる。「職人の方々の技術が素晴らしい」と話すご夫妻は、貴重な家づくりの過程を堪能したという。
ご夫妻は住まいの性能にもこだわった。開口部には断熱や防音に効果を発揮する二重サッシを採用し、換気システムには第1種換気を導入した。断熱・気密性能を高めた室内は、魔法瓶のようにすっぽりと覆われ、酷暑の続く今夏でも「エアコン1台だけで寝室まで涼しい」と話す。
天井が高く開放感のあるリビング空間で、ご夫妻は木のぬくもりを感じながら愛犬と一緒にのんびりとくつろぐ。日が暮れて明かりがともると、立体的な梁が壁や天井に陰影を落とす。「天井を見上げると山小屋にいるかのよう」と、日常の中にある非日常感を楽しみながら、ご夫妻は平穏な日々を過ごしている。
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