空き家リノベ 1棟貸し 観光名所近く、たき火も 移住の夫妻 沼田に宿泊施設19日開業

空き家リノベ 1棟貸し 観光名所近く、たき火も 移住の夫妻 沼田に宿泊施設19日開業
       

コロナ禍を機に2021年に東京都から高山村に移住した山中武さん(39)、麻葉さん(39)夫妻が19日、沼田市白沢町に空き家をリノベーションした1棟貸しの宿泊施設「mitt house inn(ミット ハウス イン)」を開業する。首都圏からのアクセスが良く、観光名所に近い好立地である上、農地に囲まれた閑静な地域にあり、ゆったりとした時間を過ごせる。こだわりの空間造りには建築を専攻する前橋工科大(前橋市)の研究室も協力している。

山中さん夫妻は移住する前から、アメリカやカナダに住むキリスト教コミュニティー「アーミッシュ」の文化に着想したワンピースブランド「Down to Earth(ダウン トゥ アース)」を手がけている。昨年7月に武さんが沼田市の「ぬまた起業塾」に参加したことをきっかけに、宿泊施設の開業に向けて動き始めた。日本政策金融公庫前橋支店と利根郡信用金庫の協調融資を受け、6月に空き家になっていた平屋建ての建物と土地を購入した。

関越道沼田インターチェンジから車で10分ほどの場所にあり、都内から2時間以内で到着できる。同市のたんばらラベンダーパークや川場村の道の駅「川場田園プラザ」といった人気の観光施設のほか、尾瀬、谷川岳、吹割の滝など自然を満喫できるエリアも巡りやすい。周辺ではフルーツ狩りやスキーなど通年でアクティビティーが楽しめる。

広々としたリビングと四つの寝室があり、最大12人の宿泊を受け入れる。庭にたき火ができるファイヤーピットを備える。プランは素泊まりのみとし、1人当たり1泊1万3千円前後を予定している。観光で訪れる3世代のファミリー層などの利用を見込む。

アーミッシュを研究する学生の取材を受けた縁で出会った、同大の石川恒夫教授がアドバイザーとして参画。石川教授の研究室との共同研究で空間造りを進めている。自然素材を使った壁紙と塗料で内装を改装したり、テラスの不要な手すりを撤去して開放感を持たせたりした。

宿泊者や地域住民が動物と触れ合い心を癒やす場をつくろうと、施設の向かいに馬小屋と馬場を作り、馬を飼育する計画もある。実現に向け、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で支援を募っている。2人は「関わる人が自分の居場所と感じられるような場所にしたい」と抱負を語る。

  

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