県内各地に残る古民家の利活用に向け、県は官民で組織する古民家再生・活用チーム「コミンカコナイカ」を立ち上げる。古民家を「地域資源」として位置付けて所有者と活用希望者のマッチングを促進、地域活性化を図る。先行して桐生地域で12月下旬にも組織を立ち上げ、2023年度から全県的にネットワークを広げたい考え。今月27日には高崎市内で説明会を開催する。
古民家の空き家は近年、県内でも増加傾向にある。県によると、築50年以上の空き家は約1万3500戸と推計(18年時点)。地域に眠っている古民家や歴史的建造物を活用して地域の魅力創出につなげていくことは、長年の課題だった。
チームは県内各地に設立する予定で、不動産業者や設計事務所・工務店、金融機関、地域住民、学生、移住コーディネーター、県、地元自治体らで組織する。県は市町村と連携して、県内の活用可能な古民家の情報を収集し、活用希望者へ適切な情報を発信するためのデータベースも構築する。
先行する桐生地域では、12月下旬の本格始動へ向けて先月、準備組織を設立した。同地域には織物関係の蔵や町屋、ノコギリ屋根工場など歴史的な建造物が多く残っており、地域の特色を生かしながら事業を進めていく。
県住宅政策課は「本県の貴重な資源である古民家や歴史的な建造物を活用し、魅力ある街並みの創出や地域経済の活性化、移住や定住の促進を図りたい」としている。各地での組織化に向け、県は本年度、古民家のニーズに対するマーケティング調査や財務上の研究、組織の運営手法などを検討する。
県はこの事業を県民に広くPRするため、27日午後2時から、高崎市のGメッセ群馬で自治体や事業者を対象とした説明会を開く。定員は200人で、WEBでのライブ配信もある。問い合わせは同課(TEL:027-897-2889)へ。