《世界遺産登録10年》弥平旧宅前の医院跡取得へ トイレ整備など懸案 伊勢崎市

《世界遺産登録10年》弥平旧宅前の医院跡取得へ トイレ整備など懸案 伊勢崎市
       

世界文化遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」を構成する田島弥平旧宅(伊勢崎市境島村)前に位置し、長年空き家となっていた医院跡について、市は6日、所有者から土地と建物の寄贈を受ける方向で協議を進めていることを明らかにした。旧宅は構成4資産の中で唯一、近接地に常設のトイレが未整備であることなどが懸案となっている。市は整備基本計画に基づき、景観の保持などに配慮しながら跡地を活用したい考えだ。

同日の市議会一般質問で、三好賢治教育長が説明した。医院跡地は旧宅と県道中瀬牧西線の間に位置し、広さ840平方メートル。長年空き家となっており、市が土地の取得に向けた協議を続けてきた。

市によると、本年度に入って所有者から土地と建物を寄贈することを前向きに検討する申し出があった。三好教育長は答弁で「今後は所有者への敬意を示しつつ、大切な財産を受け入れることを認識した上で十分に配慮して協議を進めていく」と述べた。

旧宅周辺では2018年、廃校となった旧境島小を新たなガイダンス施設に位置付け、案内所を設置するなどして整備を進めてきた。ただ、旧宅までは県道を隔てて400メートルほどの距離があり、関係者からは常設トイレや防火水槽、休憩所などの設置を要望する声が根強かった。

市は今後、来訪者のニーズや地元の意向を踏まえた上で、文化庁や旧宅調査整備委員会の意見を参考に整備内容を検討していく。

  

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