3月末で閉校した旧北軽井沢小の施設を活用し、国内外で活躍できる人材を育成するグローバルスクールを設置するため、長野原町は内閣府に教育特区申請をする方針を固めた。公募型プロポーザル方式で活用事業者に選定されたエデューレエルシーエー(相模原市)が未就学児のためのプリスクールと小学校を設置する計画で、2026年度の開校を目指す。英語を使いこなし、国際的な感覚と視野を持つ人材を育む教育環境をつくるとともに、移住による人口増や地域活性化につなげる。
株式会社立の学校となることから、町は特区申請を含めて必要な手続きを進める。5日に開かれた町議会全員協議会で萩原睦男町長は「全体のまちづくりにつながっていく事業だと考えている。今後、移住のことや地域住民との関わりについて話し合っていきたい」と説明した。
同社は相模原市内で08年に日本初の株式会社立の小学校「LCA国際小」を開校した。日本の学習指導要領に基づいて日本語と英語の2カ国語で教えるバイリンガルスクールで、卒業時に日本の小学校の卒業認定資格を取得できる。
同社によると、新たに設置する「きたかる森のインター(仮称)」は、相模原の学校と同様の形式とする計画。学力などの認知能力に加え、コミュニケーション能力ややり遂げる力といった「非認知能力」を伸ばすプログラムを提供する。全国から多様な個性を持つ子どもを受け入れ、その才能を伸ばす教育を行うとともに、住民とつながる地域創生の拠点とする。
同社は「自然環境が豊かで広大な土地に魅力を感じた。地域の人たちが大切にしてきた学校を受け継ぐとともに、北軽井沢から世界で活躍する人材を育てていく」としている。
非認知能力の育成については県も力を入れていることから、町は県とも連携していく。
県内には全国2例目の株式会社立の小学校として、15年に開校したフェリーチェ玉村国際小(玉村町)がある。
長野原町は小中学校の統合による空き校舎の利活用を進めている。北軽井沢小は応桑小と統合して本年度に浅間小となり、改修した旧西中校舎に開校した。旧応桑小の施設も改修工事中で、町へき地診療所が移転するほか、住民のためのコミュニティースペースなどを整備して25年度にオープン予定。旧第一小については昨年度に公募型プロポーザルで選定された事業者が辞退したため、現時点で活用策が決まっていない。