《インタビュー》群馬セキスイハイム 岡田雅一社長(61) 人口減に成長戦略対応 リフォームや大型分譲に軸足

《インタビュー》群馬セキスイハイム 岡田雅一社長(61) 人口減に成長戦略対応 リフォームや大型分譲に軸足
       

積水化学グループの住宅ブランド「セキスイハイム」の販売会社、群馬セキスイハイム(前橋市南町)は先月、創立50周年を迎えた。高い品質と地域に根差した営業活動により、建築棟数は現在1万7千を超える。県内では昨年度の新設着工戸数が過去60年で最低を記録するなど、住宅業界は向かい風の中にある。岡田雅一社長(61)に人口減少社会での経営、成長戦略を聞いた。

―県内のみを営業エリアとする「1県1社」として、創立50年を迎えた。

「1県1社」は全国のグループ販売会社の中でも数少ない形態。社長は私で6代目になるが、社員のほとんどが本県出身で、会社には地域密着の文化、風土が根付いている。50年にわたり信頼を築き、仕事をいただいてきたと感じる。

―リニューアルしたものを含め、今年本社ビルに二つのミュージアムをオープンさせた。

改装したセキスイハイムミュージアム群馬は新築を検討する人に「住宅とは何か」を構造から知ってもらう。新設したセキスイファミエスミュージアム群馬はオーナー様に、ハイムの品質や、当社が提供する「純正リフォーム」の価値を再認識してもらうなど、アフターサービスに焦点を当てている。

―近年の新築住宅のニーズは。

少子高齢化に加え、世帯ごとの人数も少なくなっており、コンパクトな平屋の人気が高まってきていると感じる。実際、平屋の割合は2019年度は契約件数の13・6%だったが、23年度は37・5%まで上がった。

―23年度の本県の新設住宅着工戸数は過去60年で最少の9935戸だったが、どう捉えるか。

長持ちする良質な住宅が供給されていることもあり、着工戸数が右肩下がりになっていくことは間違いない。これからは、オーナー様向けにリフォームなどのアフターサービスを展開する「ストックビジネス」の事業へ軸足を移していく。

もう一つは不動産事業。大きな分譲住宅街を造り、供給する。前橋市であれば「スマートハイムシティ前橋ローズタウン」が178区画、太田市では「スマートハイムシティ太田」を165区画販売している。26年には総面積3万491平方メートル、95区画の「スマートハイムシティ前橋ローズタウンⅡ」を販売する予定だ。長期的にはアフターサービスの提供が効率的にできるというスケールメリットもある。

―新築以外の成長戦略は。

不動産部門のフロンティア事業として、中古住宅の流通を進めている。自社でハイムを買い取り、リノベーションして、セカンドオーナー、サードオーナーに低価格で売り出す。県内では空き家問題が深刻化しているが、ハイムの空き家は0にするということを目標にしている。

―次の50年に向けた抱負を。

50年にわたりセキスイハイムという工業化住宅を販売、施工、メンテナンスしてきたノウハウがある。ビジネスモデルが変わっても理念は変えずに、お客さまや地域に貢献していきたい。

【略歴】おかだ・まさかず 東京都出身。立教大経済学部卒。1985年に積水化学工業に入社。セキスイハイム九州、東京セキスイハイム、セキスイハイム東北の社長を歴任し、2022年7月から現職。

  

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