東京圏から地方への移住を後押しする「移住支援金」で、高崎市の2023年度の支給実績が98件と全国の市町村で最も多かったことが上毛新聞の調べで分かった。移住者は200人に上った。本県全体の支給は259件で移住者は578人。いずれも静岡に次いで2番目に多かった。
国の事務局によると、23年度は東京、神奈川、大阪を除く44道府県とその市町村の約1300自治体が事業に参加した。総支給件数が3542件、移住者は7782人だった。
道府県別では静岡が376件(移住者819人)で最も多く、群馬、栃木229件(492人)、茨城213件(504人)の北関東3県が続いた。国は市町村別の実績を公表していないが、上毛新聞が上位の各県に確認したところ、高崎市の98件以上の市町村はなかった。
群馬県によると、本県では高崎市に次いで前橋市の60件(136人)が多く、太田市24件(76人)、伊勢崎市12件(27人)と続いた。
高崎市は、制度が始まった19年度と20年度は1件だったが、移住先でテレワークをする人なども対象になった21年度に34件(78人)、22年度は80件(176人)と急増した。
市によると、東京へのアクセスの良さに加え、子育て環境や都会的な生活を送れることが、実際に移住した人から評価されている。市町村の裁量で支給対象と認定できる「関係人口」を幅広く設定していることや、移住に関心のある20~40代を対象にインターネット広告を展開していることも件数の増加につながっていると分析している。
支援金は、東京23区の居住者か、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)から23区に通勤している人が対象。支給額は単身60万円、2人以上の世帯100万円で、18歳未満の子ども1人当たり100万円を上限に加算される。半額が国庫で、県と市町村が残り半分を折半する形で負担する。