渋川市が伊香保温泉に設けた長期滞在型の移住体験施設に入居した萩原奈々さん（26）＝榛東村出身＝が、自身が制作するキャンドルの店「ヒトゴト」を開店した。灯火の柔らかな光に包まれるような内装に仕上げ、商品の魅力をアピール。起業家として挑戦しながら伊香保の良さも広く伝えていく。
店舗兼住宅の体験施設に横浜市から４月入居し、45平方メートルの店舗部分で開店準備を進めてきた。各地から木材の端材や建築資材を集め、柱や棚に活用。蛍光灯の光はフィルムを貼って温かみのある光に調節した。
店内にはキャンドルやアクセサリーなど約１００点が並ぶ。顔料や染料で色付けしたろうを成形したキャンドルは、一点物ばかり。萩原さんは「手仕事の良さがある」と語る。
キャンドル制作の体験（原則、要予約）もできる。地下は展示やイベントスペースとして使う。５日からは早速、知人の作家がアートラグ（じゅうたん）を展示する。
体験施設は市が空き家を改修し、入居は最長３年。市は入居者に温泉地での暮らしを発信してもらい、移住定住の促進と空き家の利活用を進める。
萩原さんは「まずは地元の皆さんと仲良くなれるよう頑張りたい。店としてはキャンドルで作れる空間を提案していきたい」と話している。
店舗は伊香保ロープウェイ不如帰（ほととぎす）駅から東に約２５０メートル。午前10時～午後７時。月、火曜定休。最新情報はインスタグラム（＠ｈｉｔｏｇｏｔｏ．３５７９）へ。
