不動産業のぐんぱつ管理(伊勢崎市八坂町、菅家世誉社長)は、中古住宅の販売のほか、アパートやテナントの賃貸管理などを手がける。空き家など活用が進まない物件の収益化に取り組み、住民を増やし、まちの空洞化に歯止めをかける。一部を住居として使う物件をレンタルオフィスに改装して働く人を呼び込む計画も打ち出した。
同社は県内約500件の建物とその入居者を管理する。県内に出店を検討する法人のテナントの賃貸から個人の中古住宅の売買まで幅広く請け負う。
不動産相続の相談が増えたため、物件の利活用支援に注力する。同社が所有する市内の築30年ほどの6階建て賃貸マンションは、家族から引き継いだ当時の所有者に管理を頼まれた。古びた部屋の壁紙などを改装し、共有スペースをきれいにした。苦慮していた滞納者の退去も実施。数部屋しか住んでいなかった約30室は入居率7~8割まで回復した。
菅家社長(45)は、相続者が管理に困って空き家同然になる場合は少なくないと指摘。「外見は古くても建物がしっかりしていれば収益化でき、にぎわいを呼び戻せる」と話す。
ただ、少子高齢化で住宅需要は飽和する。着目したのがレンタルオフィスへの利活用だ。リモートワークや副業が普及し、個人の事務所需要は高まる。JR伊勢崎駅近くに、ビジネスを始めたい人に低価格で提供する貸しオフィス開設を計画中という。
菅家社長には別の事業者と組んで、個人に貸し出す事業として2020年に社員寮を改装した「コモンヒロセ」(前橋市山王町)の事例がある。家賃や光熱費などで月4万円。部屋はほぼ満室という。菅家社長は「人口減少が進むと同時に人気のない物件が目につくようになる」と危機感を募らせる。働く人が増えてまちは元気になるとして「使われていない物件の利用価値を高め、人が集まるまちにしたい」と話した。
【企業メモ】1989年設立。従業員6人。太陽光パネルの施工・販売やドローン事業も展開する。会社のマスコットのウサギの看板が目印。