徳井 正樹
「家は家族時間の貯金箱」だと考えます。ひとつの家族が、家に何を期待し託そうとしているかを引き出すのが私の役割。50軒を越える家族に、素材探訪などの体験や発見を準備してきました。高崎観音山陵に自宅を構え24年目。「群馬の家景色を美しくしていく!」のが私の夢仕事です。
託されたのは旧家二世帯の大きな夢。それを伝える建主の言葉は「Family」の一言でした。その意味を3年半の歳月をかけて読みほどき、柱一本、框一枚、積み上げた石一つ一つを建主ご家族に丁寧に説明し、様々な素材がこの家でのどんな役割を担うかを、現場員全員で共有しながら築きあげました。竣工間際「もう完成してしまう」という切なさを皆で味わいながら。
「繋ぐ家」に託したのは、人の繋がり、言葉の繋がり、素材の繋がり、記憶の繋がりです。建主家族を丸太買い付けに誘い、樹齢100年の杉の製材を体験すると、手摺の手触り一つでも子供たちの記憶は永く残ります。家族の夢の大仕事を託される住宅設計者には、考え抜いた図面を描けば描くほど、それを具現化してくれるプロたちに感謝と敬意を持って現場入りしなければ、永く愛される家は実現できないと考えています。
徳井正樹建築研究室
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